理事長 塚本 勇人
昨年、第39期総会に置きまして、理事長と言う大役を拝命し、早1年が経過しようとしております。
本来でしたら昨年度に周年事業を開催し、就任1年目には組合のPRと瓦復権を合言葉に新規事業を立ち上げて、2年目の今年には様々な場所に波及させ成功に導く事を目標にと考えておりました。しかしながら、平成28年度初頭に「第29回全国技能グランプリ」静岡開催の知らせを受け、右往左往している間に平成29年2月10日には実施開催の運びと相成り、大きく揺らいだ1年でもありました。
西部より代表出場し県大会で優勝、代表権を得て全国大会に出場して頂きました山下孝成氏に於かれましては、見事、第1位最優秀賞・金賞 厚生労働大臣賞を獲得と言う偉業を成し遂げられ、技能の聖地静岡県西部を大いにアピールして頂く事が出来ました。この事は本人の努力はもとより、井嶋県連相談役のもと、全てに於いてサポートして頂けました組合員、技能士会員の結束力と、お力添えの賜物と深く感謝申し上げます。また更に、静岡県優秀技能者功労表彰(知事功労表彰)には松浦義美氏、静岡県技能マイスター(しずおかの匠)に渥美昌彦氏、静岡県知事褒章に岡田利之氏、静岡県知事顕彰団体表彰に西部かわらぶき技能士会会長 藤原重宏氏と、様々なご受賞も皆様のご努力が結実した結果であり、当組合にとりましても大変明るいニュースと成りました。またこの先、様々な場面でご活躍・ご指導いただき、組合発展に寄与していただける事を願ってやみません。
さて、西部屋根工事業協同組合といたしましては、常々話題に取り上げられる瓦業界衰退と、瓦離れの危機に耳を傾けてはいるものの、カンフル剤と取れる手だてを講じる事も難しい状態が続いております。私たちの下には成長戦略の矢も未だ届く事は叶っておりませんが、日本経済に於いてはアベノミクスの影響から、4年4ヶ月を掛けじわじわと進む景気の拡大期に入っております。この状況は、戦後3番目の景気拡大期であるバブル景気をも超えると言われておりますが、期間が長く私たちには実感なき景気と捉えられます。日銀による異次元の金融緩和が、いざなぎ景気を超える可能性が有る事から、個人消費が伸び悩んでいる今、冷え込んでいる瓦に対し地方の消費を掘り起こすための手だてを講じる必要が有ると考えます。
また、1982年来35年続く子ども人口の減少から、すでに空き家が増え管理にも問題が生じる時代が来ています。また同時に、耐震を合言葉に瓦が降ろされるリフォームが蔓延しております。そこで消費者に、本来の瓦の役割や必要性、住み継ぐ住宅の管理の重要性を訴え、個人住宅の屋根にも必要な管理カルテの作成の提案など、瓦屋根を長期に健全に守るための維持管理システムを構築し、現状を変える足掛かりと成る事業の展開を提言致します。皆様と共に行動を起こす事が企業と組合の発展に繋がります。組合員が更に結束を強め、景気の波に乗れます様努力してまいります。
結びに、静岡県西部屋根工事業協同組合ならびに組合員各位のご発展とご健勝・ご多幸をご祈念申し上げ、事業報告とさせていただきます。